Sports Feature
アラバマのスポーツは、日常そのものだった。
Hiroが最初に驚いたのは、スポーツが特別なイベントとして切り離されていないことでした。 仕事の話をする人も、夕食の約束をする人も、子どもの送り迎えをする家族も、 どこかで必ずスポーツの時間を織り込んでいる。アラバマでは試合が町の予定表に入り込み、 そのまま季節感になり、会話の共通語になっていくのです。
日本で「スポーツのある町」と言うと、強いチームや有名な選手を思い浮かべることが多いかもしれません。 けれどアラバマで印象的なのは、もっと足元の風景です。学校帰りの子どもたちがボールを抱え、 家族が簡単な折りたたみ椅子を車に積み、近所の人が試合の結果を挨拶代わりに話す。 そうした細かな場面が、州全体に自然に散らばっています。
そしてその中心には、やはり野球があります。アメリカらしいスポーツの象徴としてだけではなく、 春から夏へ移る空気や、芝生の匂い、日差しの傾きまで含めて、野球はひとつの季節の感覚として息づいていました。 大きなスタジアムでも、小さな地域リーグでも、試合を見るという行為は同時に 「この町の時間を一緒に味わうこと」でもあるのです。