Nature Feature
湾岸の景色は、砂丘があるからやわらかく見える。
Hiroがアラバマ湾岸で好きになったのは、海の色や広さだけではありませんでした。 その手前で静かに起伏し、風を受け、草を揺らしながら海辺の空気を整えている砂丘の存在が、 景色全体をずっと豊かに見せていたのです。もし白い砂浜だけが突然広がっていたなら、 たしかに明るくは見えても、ここまで上品には感じなかったかもしれません。
砂丘は、海と陸のあいだの緩衝帯のようなものです。けれど機能だけで見てしまうと、 その景色としての魅力を見落としてしまいます。アラバマ湾岸の砂丘は、 景色の輪郭を少しやわらかくし、海辺に「急がない時間」を作ってくれます。 視線はすぐに水平線へ飛ぶのではなく、いったん砂の起伏と草の線を通り、 そこから海へ抜けていく。その順番があるから、湾岸の景色はとても気持ちがいいのです。
つまり、砂丘は海辺の脇役ではありません。Hiroにとっては、 アラバマ湾岸がただの明るいビーチで終わらない理由のひとつでした。 そこには風と光を受け止める前景があり、その前景があるからこそ、 海辺全体が落ち着きと品のある景色になるのです。